フランス語検定準1級 2023

フランス語検定準1級 2023年秋季を受けて:難易度や出題内容についての感想

2023年11月19日の一次試験から最終結果の発表まで3ヶ月弱。先日2月13日に最終結果発表があり(無事合格!)、長きに渡ったフランス語検定チャレンジが幕を閉じました。仏検に向けて本格的に準備を始めたのは7月後半からなので、丸半年以上仏検に向き合い、今はようやく解放された気持ちです。2023年秋季のフランス語検定準1級について、出題内容や難易度について忘れないうちに書き記しておこうと思います。

仏検準1級のレベル

今回わたしが受験した準1級は上から2番目の級で、CEFRの基準だとB2相当となります。わたしの今のフランス語力で言うと、フランス語で書かれたニュースのほとんどは問題なく読むことができ、ネイティブスピードのニュースにはまだまだついていけないものの、フランス語のYouTubeなどはそこそこ見ることができる、といった感じです。

仏検を実施している公益財団法人フランス語教育振興協会発表による、過去数年の合格基準点や合格率をまとめました(2023年度分は結果通知書に記載の数値を転載)。

年度一次合格基準点
(120点満点)
一次合格率二次合格基準点
(40点満点)
最終合格率
2023年度62点26.6%22点20.0%
2022年度62点26.5%23点23.3%
2021年度74点26.9%23点22.3%
2020年度69点25.0%23点21.9%

こうして見ると、例年一次試験は合格率が25%+くらいになるように合格基準点が調整されているような感じですね。なお、一次試験の合格率は過去3年分しか出ていなかったのですが、わたしが使っていた参考書に2016年度〜2018年度の合格基準点が載っており、それによると2016年度=73点、2017年度=72点、2018年度=60点とのことなので、全体の傾向としては近年難化傾向にあるのではないかと思います。

二次試験に関しては2016年まで遡ってもずっと合格基準点が23点でぶれていないようです。

2023年秋季試験の感想

フランス語検定は本当にバランスよくフランス語能力が問われる試験だなと感じており、一次の筆記試験では各種文法事項、長文読解・穴埋め、日本語要約、フランス語作文、リスニング、ディクテが出題されるので、手広くフランス語能力を伸ばす必要があります。

準1級一次試験の感想

一言で述べると、過去問や参考書の模試よりもだいぶ難しく感じました。特に難しかったのが大問1の名詞化と大問4の動詞の活用です。名詞化については、2問見たことすらない名詞があり、この2問についてはそれっぽい語尾をつけてみるも惨敗。動詞の活用については、フランス語の先生に訊いた今でも「どうしてその時制になる?」と納得できないものがあり、なんと5問中1問しか正解できませんでした。

読解の大問5と6は1問を除き正解できましたが、普段ならもう少しサクサク解けるところ、想定外に時間を取られてしまいました。自分で時間を測って模試をやっていたときは、30分くらい余る感じだったのですが、試験終了10分前の合図があった時にまだ大問7の日本語要約に手こずっており、焦る焦る。

幸いだったのは大問8の作文が驚くほど短くかつ簡単だったことで、作文だけは正直2級くらいのレベルだったと思います。5分くらいしか残っていなかったので、本番一発書きで書きましたが、かなりの点数が取れたと思います。

仏検では、一次試験の当日夜には解答をネットにアップしてくれますし、各設問に配点が記載されていますので、自己採点を行うことができます(ディクテや作文など記述問題は手応えで仮置きするしかないですが…)。わたしの自己採点が以下です。

カテゴリ大問点数/配点
筆記大問1:名詞化6/10
筆記大問2:多義語5/5
筆記大問3:前置詞3/5
筆記大問4:動詞の活用2/10
筆記大問5:長文完成4/5
筆記大問6:長文読解16/16
筆記大問7:長文要約7/15(予想)
筆記大問8:和文仏訳7/14(予想)
聞き取り大問1:会話内容把握5/10
聞き取り大問2:談話内容把握10/10
書き取り11/20(予想)
合計76/120

記述の大問7、8と書き取りの3つは手応えからざっくり置いて、72〜80点くらいかなという感じでした(通知された結果は76点)。例年の合格基準点が60〜74点だったので、易化している場合だと落ちている可能性があるものの、今回はどう考えても難しかったのでたぶん大丈夫!と思いながら前向きに捉えることにしました。

フランス語検定準1級 2023結果
Web申し込みをした人は郵送を待たずWebで結果を確認できます

準1級二次試験の感想

とはいえ、二次試験に向けては一次試験の結果がわかるまで、ほとんど準備に身が入りませんでした。Podcastを聴いたり、普段通りフランス語のレッスンは受けていたものの、「テーマに対して自分の意見を3分で準備して3分で話す」ための練習は結果発表までまったくやりませんでした。

そして結果発表から年末までは海外にいたこともあり、結局本格的に練習し始めたのは年明けから3週間ほど。具体的にどのような勉強や練習をしたのかは次の記事でまとめてご紹介予定です。

準1級の二次試験では、面接開始の3分前に教室の外でテーマ2題与えられ、どちらか好きなテーマを選んで3分間口述、その後時間いっぱいまで質疑応答が行われるというものです。

今回与えられたテーマは以下のとおりです(試験問題は回収されるので、覚えているものを日本語で)。

A:日本の大企業で週休3日制が導入されていることについてどう思いますか?

B:日本のアーティストはSNSで社会問題についてあまり議論しないように思われます。これについてどう思いますか?

みなさんならどちらを選びますか?テーマが渡されてから準備に3分しかかけられないため、迷うことなく即座に選ぶ必要があります。わたしはAのテーマの方が圧倒的に身近で、テーマを読みながら具体例なども浮かんできていたのですぐにAに決めました。

テーマが印刷された用紙はB6くらいだったかと思います。用紙への書き込みはOKなので、あまり書き込むスペースはありませんが、思いついた例や論述の展開順を軽くメモしました。このメモは凝視して読み上げるようにしない限り、手元に持って試験中も見ることはできます(教室の外にいる試験官の方に確認しました)。

わたしの口述は体感的に3分より短かったかと思いますが、ヨーロッパ各国で週休3日の実験が行われていることや、日本の生産性の低さなどのファクトを交えながらテーマに肯定的な意見を述べました。試験官の方は終始ニコニコされていて、質問も展開した論を深めるためのようなものばかりでした。覚えているものとしては、

・日本で導入する場合、週休3日は義務化すべきだと思いますか?それとも個人の選択に任せるべきだと思いますか?
・日本で週休3日制を導入されている企業を知っていますか?
・その日本企業の結果はどうだったのでしょう?

のような感じでした。前職の会社が選択制に近い週休3日制を取り入れていたので、その事例を交えながら回答しました。

一度、試験官の質問を聞き間違えて、見当違いな回答をしてしまいましたが、その際も普段の会話のように「ああ、すみません。**と聞かれたのかと思ってしまいました」のように焦らず回答できたのは良かったかなと思います。

二次試験では40点中29点を獲得して合格しました(合格基準点は22点)。フランス語の発音や語彙、口述のロジックや展開などが評価の対象となるようですが、正直何度も同じ単語を繰り返してしまいましたし、前置詞やle, y, enなども間違えた自信が大いにあります。実際に受けてみて思ったのは、限られた武器を用いて自分の意見を伝えようとすること、そしてそれが相手に伝わることだなと感じました。

質疑応答の中では、文末の締め方で詰まってしまうこともありましたが、試験官が最後を巻き取って「・・・ということだね?」と助けてくれることもありました。緊張しない人はいないと思いますが、試験官を敵というより一緒に議論を深める仲間のように捉えて、できるだけ会話を楽しむのがコツかなとも思います。

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7年間の会社員生活ののち、2023年からフリーランス。会社員時代は年に5~8か国を旅行。フリーになってからは長期滞在で暮らすように旅行中。2023年6月バンコクに新築コンドを購入。最新の旅の写真はInstagramで投稿。

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