フランス語検定(仏検)準1級 一発合格のための勉強法

フランス語検定(仏検)準1級 一発合格のための勉強法

先日、2023年秋季のフランス語検定準1級に無事合格することができました。一次試験・二次試験ともに手応えはあったものの、最終結果が発表されるまで安心はできませんでした。一次試験が行われたのが11月19日で、最終結果発表が2月13日。3ヶ月弱のそこそこ長い戦いでした。この記事では、今後フランス語検定準1級を受ける方向けに、わたしが具体的にどのように準備をしたのかや、おすすめの参考書をご紹介したいと思います。

準1級の難易度については前回の記事「フランス語検定準1級 2023年秋季を受けて:難易度や出題内容についての感想」でご紹介していますので、受けようかどうか迷っている方はそちらをご参照ください。

準1級の準備にかけた時間

実はわたしが仏検準1級に向けて費やした時間はそう多くはありません。仏検の公式サイトによると、仏検準1級合格に必要な勉強時間は500時間とされていますが、仏検準1級用にわたしがかけた時間は100時間でした。というのも「500時間必要」というのは、「2級に合格したばかりの人がそこから準1級に向けて勉強をし始めてどれくらいかかるか」という数値だと思っていて、わたしは準1級の勉強を開始した時点で「準1級寄りの準1級と2級の間」のフランス語力だったのかなと考えています。

また、この指標自体あくまで目安です。誰でも500時間勉強すれば合格できるというわけではないですし、逆に言えば30時間で合格できる人もいるかもしれません。人によっても、勉強の仕方によってもかかる時間は大きく変わってきますので、大切なのは今の自分の立ち位置や得意・不得意を分析して、自分にあった正しい勉強法で準備をすることではないでしょうか。

一次試験合格に向けて

パリのセーヌ川沿いのブキニスト
パリのセーヌ川沿いのブキニスト

ここからは、実際にわたしが実践した勉強法をご紹介しますが、あくまでこれはわたしにとってうまく働いた勉強法であり、もちろん誰にでもうまくいくものではありません。考え方の参考として流していただければと思います。

一次試験の戦略

仏検準1級を受けよう!と決めたのは2023年7月末。出題形式とこの時点での実力を計るために、参考書にある各大問を1〜2個ずつこなしました。そこでわかった自分の得意・不得意は以下の通り。

  • 文章読解はほとんど問題なし(ちゃんと文章が理解できている)
  • 聞き取りの内容は聞き取れているものの、ミススペルが目立つ
  • 動詞の活用、前置詞、多義語は壊滅的、要勉強
  • 聞き取りは波がある、聞き取れている時と聞き取れない時の差が激しい
  • 仏語作文は(正誤判定がしにくいものの)、日常周りのことならそれなりにできる社会問題系の作文の場合ほとんど太刀打ちができない。

また、このタイミングで各大問の配点も併せて確認し、重点的に勉強すべき項目を検討しました。

カテゴリ大問配点
筆記大問1:名詞化10点(2点×5問)
筆記大問2:多義語5点(1点×5問)
筆記大問3:前置詞5点(1点×5問)
筆記大問4:動詞の活用10点(2点×5問)
筆記大問5:長文完成5点(1点×5問)
筆記大問6:長文読解16点(2点×8問)
筆記大問7:長文要約15点(5点×3問)*
筆記大問8:和文仏訳14点(14点×1問)
聞き取り大問1:会話内容把握10点(2点×5つの空欄)
聞き取り大問2:談話内容把握10点(1点×10問)
書き取り20点(20点×1問)
合計120点
*大問7は要約文の長さ等により配点が異なる(4点・4点・7点で計15点など)

試験の鉄則ですが、出題内容がわかっているのであれば配点の高いものから対策するに限ります。筆記試験の場合、大問1「名詞化」、大問4「動詞の活用」、大問6「長文読解」の3つが配点2点のため、配点1点の大問2「多義語」、大問3「前置詞」、大問5「長文完成」よりも優先して勉強をすることになります。

大問7「長文要約」については、読解というよりどちらかというと日本語力の方が問われるような問題なので一旦問題なしとし、大問8「和文仏訳」は1問で14点分もあるので、積極対策対象に認定。

聞き取りは大問1・2の区別なく、安定して聞き取れるようになることを目指し、重点ではないものの対策対象に。

書き取りは配点が20点あるので絶対的要対策。書取りは一般に減点方式と聞いたことがありますので、雰囲気で書けていればOKとはならず、スペルミスや語の末尾のsを忘れないようにするなど、全体のレベルを上げる必要がありました。

まとめると、

  • 配点が鬼高い書き取りと和文仏訳を最重点対策
  • 続いて、不得意分野である配点2点の名詞化と動詞の活用を対策
  • 聞き取りはリスニング力を底上げすべく定期的な対策対象
  • 最後に、配点1点の多義語と前置詞を勉強する

わたしの場合、読解はほとんど問題がなかったので、対策というよりは息抜きとしてたまに解くようにしていました(他の大問が解けず落ち込む時に、「ちゃんと解ける!」を体感してやる気を取り戻すために利用していました)。

一次試験で使用した参考書

一次試験に向けては、そこそこ多くの教材を活用しました。

完全予想仏検準1級ー筆記問題編ー

まず1番のおすすめはこちらの対策本。筆記試験の大問8題がすべて網羅されており、カバーされている単語や問題がとにかく潤沢なのがすばらしいです。例えば多義語に関する問題など、p39からp124まであり、これを全部やっておけばどんな問題が来ても怖くない!という自信になります(実際わたしは5問中5問正解でした)。

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また大問1〜3の文法事項パートでは、見開きページの左が覚える事項、右が練習問題となっていましたので、わたしはまず先に右の練習問題を解いてから左側の解説を読むようにしていました。というのも、知らないなりに自分の頭で考えたり間違えた方が記憶が定着するためです。

模試が2回分ついています。

ただしこちらはタイトルの通り筆記試験のみで、聞き取りと書き取り試験はカバーしていません。わたしは後でご紹介する参考書でこれらをカバーできると判断したため、聞き取り・書き取り用の方は購入しませんでした。

仏検対策準1級・1級問題集[改訂版]《CD2枚付》

続いても対策本ですが、正直上の「完全予想」とどちらか1冊であれば、圧倒的に「完全予想」の方をおすすめしたいです。

こちらの参考書は準1級がなんたるかというところの説明から、文法的な説明、さらに問題の解き方などを紹介しているので、「何からどう手をつけていいかわからない!」という方にはこちらの方がよいかもしれません。また、聞き取りと書き取りも含まれているので、参考書1冊だけで完結したいという場合もこちらの方がいいかも。


ただし、カバーされている分量には圧倒的な差がありますので、この1冊だけでなんとか済ませるというの個人的にははかなり厳しいと思います(完全予想の方が本としてのサイズが大きい上、解答抜き・筆記のみで299ページ(解答は別冊)、こちらは解答込み・聞き取り/書き取りも含めて235ページ)。

《仏検》準1級・2級必須単語集新装版 (<CD+テキスト>)

書き取りの練習に使っていたのがこちらの必須単語集と次にご紹介するクラウン。必須単語集の方は2級と準1級でパートが分かれており、それぞれ短いストーリーが20話ずつ収録されています。


2級の方は音源に通常のスピードとポーズありのものがひと続き収録されていますが、書き取り用ではないためポーズが短く、書き取りに利用する場合は自分で音源を止めながら書く必要があります。また、準1級の方にはポーズありの音源すらないので、こちらはシンプルに語彙を増やすために流し読みしていました。

仏検準1級・2級対応 クラウン フランス語単語上級

書き取り用としては、確実にこちらのクラウンの方がおすすめです。というのも、音源にノーマルスピードに加えて書き取り用の音源も用意されているためです。


ただし、仏検準1級の実際の書き取りよりも全体的にポーズが長めだと感じました。そのため、クラウンのポーズの長さに慣れていると、本番で焦ってしまうと思います。ポーズが長めであることを認識した上で、ポーズを余らせられるまで練習をするのがおすすめです。

40の名詞からひろげる中級者のためのフランス語

複合的に役に立ったのがこちらの参考書。タイトルの通り、ベーシックな名詞からいろいろな表現を考えていく参考書で、具体的には前置詞・多義語・読解対策になりました。

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40の名詞からひろげる中級者のためのフランス語 [ 田中 幸子 ]
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表現の中には、定型として確立されているものがいくつもあります。定型表現は決まった前置詞や名詞、動詞などの組み合わせから成るため、その表現を知らないと初見で太刀打ちすることは難しいです。

たとえば、commencerと近い意味を持つ « être mise en place » という表現。この表現で使われる動詞は常に« mettre »であり、前置詞は常に« en »です。これは知識として知っておかねばどうにもならない話であり、議論の余地はありません。

この参考書では、簡単な名詞を使ったこうした定型表現をこれでもかと学べるので、直接的に大問2の「前置詞」や「多義語」はもちろんのこと、フランス語力を底上げするという意味で読解力の向上にもつながった感覚があります。

各名詞は4ページ構成となっており、最後の1ページは練習問題になっていて、実践的な使い方を学ぶこともできます。かなりおすすめです。

フランス語作文ラボ ニュアンスで使いわけるための添削教室

最後に和文仏訳の対策ですが、正直こちらはよい対策ができたとは言い難いです。最初にご紹介した2冊の対策本に過去問や想定問題はたくさん載っていたので、実際に自分で解いて解答から学ぶことはしました。しかし、解答自体には納得できても、自分が書いたフランス語が受けいられるものなのかどうかは自分で判断することができません。

オンラインでマンツーマンで受けているフランス語の先生は日本語がわからないため、和文を一度英文にし、英文との比較で自分が作った仏文を見てもらったりしましたが、和文から英文にする過程で細かいニュアンスなどが失われるので、あまりおすすめはしません。

仏訳の対策として「フランス語作文ラボ」という王道参考書を読んでいましたが、例題や表現が日常生活に根ざしたものが多く、準2級や2級レベルの文章が多い印象です。


準1級の過去問などを見ていると、もう少し抽象度が高い文章が出題されているので、少し物足りなさはあるかと思います。とはいえ、辞書や仏文を読んでいるだけでは知る由もない、各語の使い分けなどについて日本語で詳しく説明がされているので、仏訳の基礎をつけるという意味では本当に素晴らしい参考書だと思います。

例えば、très, vraiment, tellementはどれも「とても」という意味で使われる言葉ですが、シチュエーションや使用位置によって使える語・使えない語があります。そうしたことをとても丁寧に説明してくれています。

ちなみに、わたしが受けた2023年秋季では、予想に反してザ・日常な文章が出題されたので(個人的な感覚としては2級レベル)、結果的にめちゃ直接的に役立った説もありますw

二次試験合格に向けて

一次試験の合格発表は12月13日、一次試験が行われて3週間と少し経った頃です。本当は一次試験終了後からすぐに対策を開始すべきなのですが、合格かどうかもわからないうちは気合いが入らず、この時期は普段のフランス語のオンラインレッスンを諾々とこなしているくらいでした。

また12月は年末まで海外にいた関係で、一次試験の合格発表があってからも結局身が入らず、本格的に対策を始めたのは年が明けてからの3週間。身が入らないなりにやっていたこともあるので、それらも包み隠さずどのように勉強をしたのかご紹介できればと思います。

二次試験の戦略

一次試験と異なり、二次試験ではどのようなテーマが出題されるかわからないため、戦略という戦略はありません(笑)その場で与えられたテーマについて即興で何かしら言うことができるように、またできればロジック立てて3分話せるように練習をしました。

二次試験の勉強法

まずステップ1として身が入らない頃のお話をします。この頃は一応何かした方がいいという意識はあったので、お風呂に入っている時や一人で歩いている時に、特に時間を測らず思いついた社会問題について何が言えるかボソボソ口元だけで話す練習をしていました。例えば「原発に賛成か反対か」「少子化が進んでいることについてどう思うか」「日本の夏は年々暑くなっていると思うか」などについてです。

そうすると、もちろん言えない言葉や言い回しが見つかるので、スマホなどにメモしておき、時間があるときに調べてまた同じテーマで今度はどれくらい話せるかをボソボソトークで試したりしました。

フランス語検定準1級のノート
二次試験用にまとめたノート

年末に海外から帰国してからは、オンラインのフランス語レッスンを週3回に増やし、先生に環境・政治・経済・社会問題などから様々なテーマで出題をしてもらい、関連語彙を学ぶとともに、こういうテーマが来たらこういう回答をしようというストックを増やしてきました(オンラインレッスンはPreplyというプラットフォームを利用しています。詳しくはこちら→【初回割引あり】PREPLY(オンライン語学学習サイト)徹底解説

またこの頃から3分で考えて3分で話すという練習も始めました。夫はまったくフランス語が話せませんが、適当なテーマで日本語で出題してもらい、それに対してできるだけ素早くフランス語で意見を述べるということもしました。もちろん夫はわたしの回答がわからないわけですが、詰まることなく話せているかや焦った感じになっていないかなどは雰囲気でわかりますし、フランス語で話した後に日本語でどんなことを話したか伝え、ロジックに整合性があるかを見てもらったりしました。

誰かを目の前にすると「単語がわからなくなっても途中で止めるわけにはいかない」というよいプレッシャーになり、とにかく3分話し続けるよい練習になりました。

また、YouTubeのフランス語学習者向けチャンネルで、スピーキングに使える表現を積極的に勉強しました。おすすめのYouTubeチャンネルなどは後日別の記事で紹介する予定です。

二次試験に向けて使用した教材

二次試験に向けてはあまり参考書を利用していませんが、1冊だけ使用したものがあるので念のためご紹介します。

仏検イラスト単語集(準1~準2級レベル) よく出る分野をまとめて覚える

それがこちらの参考書。タイトルにつけるほどイラストあるかな?と思わんでもないですが、とにかく関連した語や反対の意味の単語などがまとめられている本です。


見開き2ページで1つのテーマとなっており、わたしは二次面接で出る可能性のあるテーマだけ寝る前などに眺めていました。結果的に、2023年秋季の二次面接ではここに記載のテーマが出ずほとんど役に立ちませんでしたが、話せるテーマを広げるという意味ではいいと思います。

ただし、その語をどのように使うのか(例えば名詞であれば組み合わせられる動詞はなんなのかなど)の説明や例文は一切乗っていないので、この参考書だけでスピーキング力を伸ばすのは難しく、自分でどういった表現が可能なのか?を別途調べる必要があります。

まとめ

余す所なく書こうとしたところ、たいそうな長さの記事になってしまいました。これでも端折った方なんですが…笑 少しでもお役に立てたなら幸いです。英語以外の言語は学習者もあまり多くなく、得られる情報も限られているので、何かご不明な点がございましたらぜひコメント欄やofuseからご連絡ください。

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7年間の会社員生活ののち、2023年からフリーランス。会社員時代は年に5~8か国を旅行。フリーになってからは長期滞在で暮らすように旅行中。2023年6月バンコクに新築コンドを購入。最新の旅の写真はInstagramで投稿。

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