スペイン語検定4級のテスト内容

スペイン語検定4級の試験形式と出題内容 当日の注意点も

前回の記事「はじめてスペイン語検定を受験した感想:日本スペイン協会に物申したすぎる!」では、開示情報が少なすぎることに対して思うところを書きましたが、実際問題、どんな問題が出されるのかわからず受験を躊躇う人は多いと思うんです。そこで今回の記事では、実際にどんな問題が出題されたか、傾向や形式について覚えている範囲でご紹介したいと思います。

試験の内容

前の記事でもご紹介していますが、巷にある唯一の参考書は試験形式が変更となった2021年以前に出版されているものであるため、実質新形式での問題を見ることができる参考書は今のところありません(2024年2月現在)。

わたしは2023年冬季試験でスペイン語検定4級を受験しまして、今後問題数や難易度なども変わってくる可能性もありますので、あくまで23年冬季はこうだったという参考にしていただければと思います。

スペイン語4級で求められるレベルと範囲

スペイン語検定を実施している公益財団法人日本スペイン協会のホームページによると、4級のレベルは以下のように定義されています。

スペイン語の4技能「読む、書く、聞く、話す」を活用し、日常生活において状況に即した受け答えが可能

また、文法的な範囲についてもかなり明確に定義されています。

  • 文法範囲:過去完了、未来、未来完了、過去未来、接続法現在、命令、受身を含む
  • 語彙:約1,500語
  • 数字:100万まで

時制の範囲については裏返すと、過去未来完了、接続法現在完了、接続法過去、接続法過去完了は4級の対象外であり、平たく言えば仮定法全般が4級の対象外になります。21年の改訂前まではすべての時制が4級に含まれていたようなので、3級と4級の間でレベルの平準化が行われた感じがしますね。

新形式での4級は「日常生活において状況に即した受け答えが可能」という定義のため、日常会話で仮定法はなくてもいいでしょう、数字も100万まであれば十分やっていけるよね、という考え方のようです。

ちなみに改訂前のレベルに則した3級の問題集も持っているのですが、それによると3級は「新聞などが理解でき、一般ガイドに不自由しない」となっているので、相当レベルが高いと言わざるを得ません(ついでに書いておくと2級は「一般通訳ができる」レベルで、1級は「会議通訳、文学翻訳、専門ガイドができる」レベルだったようですw)

全問マークシート式

さて、試験形式に関しては、すべての級でマークシート式のみです。旧形式では日本語訳やスペイン語作文などの記述があったようなので、全体的に易化しているように感じられます。

スペイン語検定4級の解答用紙

ところで、これまでそこそこ多くのジャンルで試験を受けてきたのですが、厚みのあるベージュがかったいわゆるマークシートじゃない用紙は初めてでびっくり。かなりペラペラの紙で、機械読み取りではなく人が採点している気がします(これも受験者数が少ない弊害な気が…)。

大問の構成

4級の試験は大問1〜6の全35問構成でした。単純計算で1問あたり約3点。真偽のほどはわかりませんが、2択の大問5が2点(2点×5問=10点)、その他の大問が3点(3点×30問=90点)の合計100点になっているのではないかと思います。

試験終了とともに問題用紙も回収されてしまうため、具体的な問題はご紹介できないのですが、覚えている限りのことをご紹介します。

大問1と2(1〜2語の空欄補充)

大問1と2の違いを覚えていませんが、どちらも与えられた文章内の括弧に入れる語句を4つの選択肢から選ぶ問題です。動詞の活用では、基本的に選択肢の活用自体が間違っていることはなく、正しい時制と法を選ぶ形式で、特段トリッキーな問題はありませんでした。

形容詞や副詞を補充する問題はなかった記憶で、シンプルに動詞とセットになる前置詞を問う問題(動詞 acordar に続く前置詞を問うなど)や、関係詞節における関係詞(que, qui, dondeなど)をシンプルに問う問題などがありました。

スペイン語検定ホームページのサンプル問題 大問1の(2)にあるような数字の読み方を問う問題は今回は出ていなかった記憶です。

大問3(空欄に適切でない語句の選択)

3択の中から、空欄に入れることができない1択を選ぶ問題です。覚えている問題としては、Aさんの提案に対してBさんが「もちろん」のような回答をする流れで、適切な “Claro” や “Supuesto” に混じって “De nada” (これが正解)があるような感じです。

難しい語句が問われるわけではなく、日常会話で頻出の言い回しをちゃんとわかっているかを問う問題が多かったように思います。

大問4(フレーズ選択)

会話の流れから、当てはまる会話文を選択する問題です。それぞれの選択肢は文法的に正しく、文脈から正しい選択肢を選びます。記憶に残っている問題が1問もないのですが、だからこそあまり難しくなかった気がします。

大問5(文章読解)

10行〜15行程度のスペイン語の文章を読んで、問いの正誤に答える問題です。正誤問題なのですべて2択です。

今回はある女性の大学時代から卒業後の進路、そして長年勤めてきた出版社で昇進をしたというストーリーでした。ほとんどの文章が過去形で書かれていたはずです。ひっかけ問題はなく、普通に読めば簡単に正誤が判定できるものでした。

大問6(リスニング)

試験開始後35分あたりからリスニングがありました。問題用紙に小問の問題と選択肢が記載されており、ストーリーはすべて音声で流れる形式です。2人の大学生が会話しており、そのうち1人が自身の家族について語る話だった記憶です。

小問では、この話者の職業(=学生)や、妹が何歳年下か、親がどこで働いていたか、また会話中に見せている写真のどこに誰が写っているか、などの問題があったように記憶しています。

説明ではリスニングは10分程度とのことでしたが、2回流して5分程度だった記憶です。

試験当日の注意点

ところで、試験当日に個人的にいくつか “イレギュラーだな” と感じることがありましたので、注意点として記載しておきます。

会場に入れるのは説明開始時刻の10分前から

会場によって異なるのだとは思いますが、わたしが受験した東京会場では、試験室に入室できるのは説明開始時刻の10分前からでした。東京会場は貸会議室だったのですが、廊下が狭く開室までかなりの人数が廊下で待っている形に。会場によってはあまり早く行きすぎない方がよさそうです。

机の上に置けるものが厳しすぎ!

あと個人的にん?と思ったのが、机の上にほとんど何も置けないこと。冬だったのでポケットティッシュケースを出していたのですが、ティッシュはケースから出してくださいと言われました。さらにシャー芯のケースや替えの筆記具も出しておいてはいけないという謎の徹底ぶり。

そもそも国家試験じゃないのでそこまでの厳密性を求める意味もわからないですし、記述ゼロのマークシート式なのに、何をそんなに恐れているんでしょう?替えのシャーペンやシャー芯のケースでカンニングができるとでも?受験票にマークシート、全体的な試験の構成とチープな部分が多いのに、持ち込み物に対する厳しさがアンバランスすぎて、個人的には「んんん?」となりました(ちなみにフランス語検定では、替えの筆記具やティッシュが置けるのはもちろん、ペットボトルや水筒もOKですし、試験中に許可なく水分摂取もできます。「それくらいで不正ができるほど柔な試験を作っていない」というこだわりを感じて、わたしはこちらのスタイルの方が好きです)。

受験申し込みについて

受験申し込み自体はインターネットで行い、クレジットカードで支払うことができます。以前は郵送や店頭申し込みもあったようですが、2023年からどちらも廃止になったそうです。

結果通知

最後に、結果通知について。申し込みはインターネットオンリーですが、メールやマイページで結果を知れるといったことはなく、紙面での通知のみです。

合格すると日本スペイン協会から大きめの封筒が届きます。

スペイン語検定4級の合格通知

中には合格証書と、結果通知書が同封されていました。合格証書もチープ目で少し悲しい。。。

スペイン語検定4級の合格詔書

結果通知書には合格基準点と本人の得点が記載されています。また、前の記事でわたしが言及している平均点、合格率、受験者数が公表されていない点については、こちらの紙に明記されています。

スペイン語検定4級の合格通知書

今回わたしは100点中88点の得点でした。大問5のリーディングと大問6のリスニングは完璧にできたと思うので、大問1〜4で4問落としたのだろうと推測しています。文法苦手な自覚があるので納得です。

スペイン語検定4級に向けた参考書がほとんどない中でどのように準備をしたかについては、次回の記事でご紹介したいと思います。

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7年間の会社員生活ののち、2023年からフリーランス。会社員時代は年に5~8か国を旅行。フリーになってからは長期滞在で暮らすように旅行中。2023年6月バンコクに新築コンドを購入。最新の旅の写真はInstagramで投稿。

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