アメリカの単位

ややこしい アメリカの単位 とその覚え方 華氏/パウンド・オンス/マイル・ヤード・フィート・インチ

アメリカで未だに慣れないのが独特な アメリカの単位 の概念です。

飛行機の離発着の際に到着地の気温がアナウンスされますが、「ただいまの到着地の外気温は87度、天気は良好で…」などと流れると一瞬ドキッとしてしまいます。そう、アメリカでは気温の単位が違うのです。

ヤード・ポンド法を使い続ける唯一の国

気温のみならず、長さ、重さの単位が異なります(これらを基準とする面積や速度などもすべて)。これはアメリカがいまだにヤード・ポンド法を使っているからなんですね。

世界一般ではメートル法に統一されているのに天下のアメリカ様が合わせないでどうするんだ…!と声を大にして言いたいです。

とまれ、そんなことを嘆いてもしょうがないので、覚えるしかありません。今回はアメリカのメジャーな単位についてご紹介します。

温度(華氏 / °F)

温度の単位は、これを提唱したFahrenheit(ファレンハイト)博士の名前がそのまま単位になっています。

Fahrenheitの基準に関しては諸説あるようなのですが、Fahrenheit博士が当時測り得た最も低い室外の気温を0°F(-17.8°C)とし、自身の体温を100°F(37.0度)としたのが起源だそうです(博士はドイツ人なので若干体温が高いです)。

32°Fが0°C、212°Fが100°Cにあたります。

華氏から摂氏へ変換する場合は、°C=(°F-32)×5/9という式で計算できますが、瞬時に計算するのは至難の技ですよね。そこで厳密な数字が必要でない場合は、以下の数値を覚えておくと目安になります。

  • 32°F→0°C
  • 61°F→16°C
  • 82°F→28°C
  • 100°F→37°C

61°Fと16°C、82°Fと28°Cは1の位と10の位が逆になっているので覚えやすいですね。

重さ(パウンド / pound・オンス /oz)

パウンド (lb)

日常生活でもっとも出現率が高いのが重さ(容積)の単位でしょう。スーパーに行くと $2.45/lb といった表記をよく見かけます(ちなみにアメリカはお肉やお魚以外に野菜も量り売りです)。

lb はパウンド(pound)を表す記号で、1 lb が約453gにあたります。どうやったらlbが パウンド と読めるんだ…!というご指摘はごもっともで、わたしも最初のうちはとても戸惑いました。

調べてみると、パウンドは成人が1日に消費する大麦の量からできた単位だそうで、古代ローマでは天秤を意味する libra という単位で表していたということです。ここからlbという記号になったのだとか。

パウンドの場合はあまり複雑ではないので、450g/lb×□lbとそのまま計算しています。私はスーパーにあるナッツの量り売りやサラダバーでサラダを購入するのですが、未だに 1 lb を超えて買ったことがなくいつも小数点の計算になります(ちなみに0.2 lbが約100gに当たるので、これだけ覚えておくとよいですね!)

オンス (oz)

一方ペットボトルの内容量や香水の分量でよく見かけるのがオンス(oz)という単位です。1 oz は約28gにあたります。飲料では16 oz (約450ml)や 8oz (約225ml)がメジャーです。他であまり見かけないので、これはこのまま覚えてしまいます。

また、海外で香水を買われる方は税関申告書でも見かけたことがあるかと思います。日本では香水 2 oz までは免税対象となっています。

長さ(マイル / mile・ヤード / yard・フィート / feet・インチ / inch)

長さの単位は、詳しくはないけども聞いたことはある!というものばかりかと思います。

マイル (mi)

アメリカで車を運転するなら必須で知っておくべきなのがこの子です。1 マイル は約1.6kmにあたります。

高速を走っているとメーターが60〜80くらいを指すことが多いのですが、日本気分が抜けていないとやたら速く感じます。

そりゃそうですよね。時速もマイルで表されるわけですから。メーターが60〜80を指すということは時速96km〜128kmで走っていることになります(ちなみにアメリカ人はドイツほどではないですが速く走るのが大好きです)。メーターと体感が違って混乱しないようにしましょう。

ヤード (yd)

ヤード・ポンド法にも使われているヤードですが、長さの単位では1番使われません。1 yd が約0.91mにあたります。アメフトの試合などでは耳にすることがあるかもしれません。

フィート (ft)

1 ft は約30cmになります。飛行機の高度表記でよく見かけます。ちなみに1 yd = 3 ft で、単位の幅が近すぎてツッコミたくなります(だからyardはあまり使われないのでしょうか)。

なお、フィートは英語でfeet、foot(足)の複数形です。ですから数量が1の場合は1 feet ではなく 1 foot となります!(テストに出ますよ!笑)

フィートはその名の通り成人の足の爪先からかかとまでの長さが基準となっていますが、やはり標準的な日本人より大きいですね。

インチ (inch)

最後はインチです。日本でもテレビや自転車などで用いられているため、少しは馴染みがある単位でしょう。

1 inch = 約2.5cmです。アメリカで靴を買われるつもりがある人は、インチ表示の大きさを把握しておきたいものですね。

単位変換アプリ

…とここまで アメリカの単位 について紹介してまいりましたが、自分で計算するのは面倒くさいもの。そんな時におすすめなのが単位変換アプリです。いくつも出ているので、自分にぴったりのアプリを探してみてくださいね。

アメリカ人はポンド・ヤード法についてどう思っている?

あくまでわたしの主観ですが、大学に進学せず就職するにとっては「ポンド・ヤード法」であることが当然すぎて、考えたことすらないのではないでしょうか。天気予報で流れる気温は相変わらず華氏ですし、アメフトの解説で使われる距離はヤードです。

一方で、大学で理数系の研究をするような人や、海外と取引があるビジネスパーソンなどはこのややこしさに辟易していそうです。、わたしの友達で日本に留学している医療分野の研究者に言わせると「本当に頭がおかしい」だそう。アメリカの大学でも世界標準に合わせるためメートル法が導入されているため、慣れるまで本当に困ったとのこと。彼女は研究者のため、温度についてはむしろケルビン(K)を使うらしいですがw

また、わたしはPreplyというオンラインプラットフォームで海外の方に日本語を教えているのですが、わたしが教えている常識的な大人は全員、「アメリカの外ではポンド・ヤード法以外が使われている」ことは知っています。

大統領令でポンド・ヤード法なくならないかなw

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ゆっこぷー

7年間の会社員生活ののち、2023年からフリーランス。会社員時代は年に5~8か国を旅行。フリーになってからは長期滞在で暮らすように旅行中。2023年6月バンコクに新築コンドを購入。最新の旅の写真はInstagramで投稿。

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