ベルリンフィル 本拠地

ベルリン・フィルハーモニーをガイドツアーで見学

ベルリン観光で一番テンションが上がったのが、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(以下管弦楽団のことは「ベルリンフィル」、本拠地の建物のことは「ベルリン・フィルハーモニー」で統一)の本拠地のガイドツアーに参加したことです。テレビで何度も見てきたベルリンフィルのコンサートホールを見れるとあって、始まる前からとにかくワクワク。

半分ネタバレチックになってしまいますが、ガイドツアーで見聞きしたこともできる限り記載していきますので、ご興味ある方はどうぞ!ちなみにガイドツアーは英語とドイツ語のみですが、ベルリン・フィルハーモニーのコンサートホールは観るだけでも価値があるので、英語・ドイツ語無理だよという方もぜひぜひ!

ベルリン・フィルハーモニーガイドツアーの概要

はじめにベルリン・フィルハーモニーのガイドツアーの概要をサクッと紹介します。

ベルリン・フィルハーモニーガイドツアーの開催日時

曜日を問わず毎日13:30から1日1回のみ開催されています。現地でも特に記載はなかったのですが、年末年始や祝日などは例外の可能性もありますので、ちょっと怪しそうだな…と思われる方はホテルなどで事前に確認されるとよいかもしれません。

なお、ガイドツアーの所要時間は約1時間です。

ベルリン・フィルハーモニーガイドツアーの予約方法/チケット金額

25ユーロくらいかかることを想定していたのですが、なんと5ユーロで入ることができました!シドニーオペラハウスとは大違いや・・・笑 さすが芸術の国。

案外まだまだキャッシュ社会なドイツですが、チケットオフィスではクレジットカードもOKでした。

支払いが終わると、服の上からペタっと貼る赤いシールを渡されます。これがチケットです。

なお、ガイドツアーに人数制限は基本なさそうで、わたしは行くまで予約の仕組みがわからなかったので当日の12時ごろにガイドツアーのチケットを買いに行ったのですが、このシールさえあればいつ来てもよさそうな雰囲気でした。

ほとんどの人はガイドツアー開始直前に来てチケットを購入しているみたいでしたよ!

ベルリン・フィルハーモニーガイドツアーの言語

先に述べたとおり、ベルリン・フィルハーモニーガイドツアーの言語は英語とドイツ語です。ガイドの人は英語とドイツ語どちらも堪能に話せるようで、当日の参加者に合わせて使い分けているようです。

参加者が全員集まったところでドイツ語と英語の両方で挨拶され、どちらの言語がよいか聞かれます。わたしが参加した回はちょうど、ドイツ語がわかる人が1人しかおらず、かつその女性は英語もできたので完全英語でガイドされることになりました。

ガイドの方もどちらか一方にした方が楽だし色々話せる時間があってよいと言っていたので、英語一本になってよかったです^^

ベルリン・フィルハーモニーへのアクセス

ベルリン・フィルハーモニーは、ポツダム広場(Potsdamer Platz)から徒歩5分ほどの場所にあります。

このエリアは、ブランデンブルク門、ホロコースト慰霊碑、ポツダム広場(ベルリンの壁の展示)、ソニーセンターなどがあり、わたしはまさに上の順番で歩いて周りました。

ベルリン・フィルハーモニーガイドツアーの見どころ

ここからはガイドツアーのネタバレとなります。英語orドイツ語がわかる方でネタバレが嫌な方は飛ばしていただければ!

ベルリン・フィルハーモニーの造り

まずはコンサートホールの外の話から。ベルリン・フィルハーモニーは建築家のハンス・シャロウンの設計で1960年に建てられました。デザインが上がった1950年代当時は市民からかなり反発もあったようで・・・?

おしゃれじゃない外観に込められた意味

まずベルリン・フィルハーモニーの外観ですが、確かにちょっとおしゃれとは言い難い見た目をしているんです。これはハンス・シャロウンがイケてなかったからではなく、意図的にダサくしているんだそう。

ベルリン・フィルハーモニー 外観

というのもハンス・シャロウンの考えでは、コンサートホールというものは毎日でも行けるようでなければならず、そのため権威的な雰囲気や豪奢とは無縁であるべき、ということなんだそう。

その結果、「地下鉄の駅のような」外観デザインにしたんですって。

ベルリン・フィルハーモニー 本拠地

当時のベルリン市民からはかなり反発があったみたいですけども…

異様に階段が多い内観デザインの意図とは?

建物の中に入ると、その異様なまでの階段の多さにびっくりします。実際ベルリンっ子も、自分の席に行くのにどの階段を登ればいいのかよくわからなくなるんだとか。

ベルリン・フィルハーモニー 建物

階段を多くしたのにももちろん意図があって、戦後間もないベルリンを活気づけるための工夫なんだとか。

というのも、階段が無数にあることで、トイレに並ぶときや飲み物を買いに出るときなど、その度にたくさんの人が階段に並ぶことになります。すると、知らないい人同士で会話が生まれ、このコンサートホールをきっかけに知り合いの輪が増えていく、ということらしいのです。

実際ハンス・シャロウンの意図はうまく働いていて、戦後暗かったベルリン市民が階段で会話をするようになったのだそう。本当にすごい!

ベルリン・フィルハーモニーのコンサートホール

さて、お次はいよいよコンサートホールの内部です。半世紀以上も前に造られたのだとは思えないくらいきれいでした。

世界初、ステージが客席よりも低いホール

ベルリン・フィルハーモニーのコンサートホールの特徴は、ステージが客席よりも低い位置にあることです。

ベルリンフィル管弦楽団 ガイドツアー

これはハンス・シャロウンの強い信念として、「人類みな平等」という精神に基づくものだそうです。音楽家だから偉い、ステージで演奏する人が偉いといった概念を変えたかったんだとか。

その結果、当時のベルリン市民からは「演奏家を下に見るとは何事だ!」と大反発が起きたんですって。新しいことをするのはいつの世も大変だ。

音響、音楽的な意図ももちろんありそうですが、今回のガイドツアーでは紹介されなかったな・・・笑

360度客席に囲まれたステージ

またステージの背面に客席が設置されているのも先進的で、こちらもベルリン・フィルハーモニーが世界の先駆けです。「後ろから見るとは何事だ!」とこれまた反発があったそうですが、今ではたとえば有名な指揮者が来た時なんかはステージ後ろの席の方が人気なんですって(オーケストラは見えないけど、指揮者を正面から見れるから!)。

ベルリンフィル コンサートホール

一方、演奏家からするとベルリン・フィルハーモニーで演奏することは結構恐怖なんだそう。この間来たボストンのバイオリニストは、「このコンサートホールはどこを見ても、お客さんがつまらなさそうにしてる顔、眠そうにしてる顔が全部見えるから嫌だわ」と言ったんだとか。

どの席がいい席?

360度客席となっているベルリン・フィルハーモニーでは、ここが確実にいい席(=高い席)と断定することはできないんだそう。

ちなみに平等を重視していたハンス・シャロウンは、どの席も同じ値段で売ることを希望していたのだとか(もちろん運営側からの反対で実現はしていません)。

ベルリン・フィルハーモニー コンサートホール

先ほども述べたように、有名な指揮者が立つコンサートではステージ後ろの席が人気だし、有名なバイオリニストが協奏曲のソロを弾くとなれば、ステージから見て右側の前あたりが高くなる。オルガンのコンサートであれば、オルガンが設置されている壁の対岸にある席がよく見えて人気。

ベルリンフィル ガイドツアー

ただし安い席はほぼ決まっていて、客席の一番後ろの立ち見席がかなりお安いんですって。確かにヨーロッパには立ち見用の桟敷があって、数百円で観ることができるって高校の時の指揮者の先輩が言ってたなぁ。

世界初、ピアノが奈落から上がってくる仕組み

ピアノがステージ下から上がってくる仕組みを造ったのも、ベルリン・フィルハーモニーが最初なんですって。

これについては面白い逸話があって、1980年代にバーンスタインが振ったときのこと。リハーサルでピアノの響きに納得がいかなかったバーンスタイン。技術者たちは大急ぎで調整するも本番に間に合わず、不満足な状態で開催をするか、コンサートをキャンセルするかという話になったんですって。

結果的にコンサートは無事開催されたのですが、納得できる音を求めたバーンスタインはなんと、ピアノの位置をステージから半分下げたのです!その結果、ピアニストは顔だけがステージ上に見えているような状態で演奏をしたのだとか。これを大真面目にできるバーンスタイン、さすが巨匠・・・

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ベルリン・フィルハーモニーを真似るコンサートホール続出

こんな奇抜で、市民から大反発を受けていたベルリン・フィルハーモニーですが、今となっては世界中でベルリン・フィルハーモニーの造りが真似られているんですって。

その1つが東京にある、とガイドさん言っていたのですが、ベルリン・フィルハーモニーの特徴があるといえばおそらくサントリーホールのことでしょうね。そうか、パクリなのかー笑

最近では2015年にまたベルリン・フィルハーモニーを真似したコンサートホールがパリとサンパウロ(←サンパウロはちょっと記憶があやしい笑)に造られたらしく、パリのホールを見てフランス人記者が設計者に訊いたんですって。「ベルリン・フィルハーモニーにそっくりですけど、どうして半世紀以上も前の設計から何も変わっていないんですか?」と。設計者がなんと答えたかは聞けませんでしたが、きっとたじたじでしょうね!笑

VIP席がVIP席じゃない?

ベルリン・フィルハーモニーにはVIP席もあります。…が、面白いことにベルリン・フィルハーモニーのVIP席はまったくVIP感がないのです笑

思い出してください、ハンス・シャロウンは平等を非常に重んじている人でした。例えば一国の大統領が来たときや一国の王が来たときに一般席に座らせるわけにはいかないからと、VIP席を作るようベルリンフィルから猛プッシュがあったらしいのですが、「大統領だろうが王だろうが知るもんか、人はみんな平等である」といった考えのため、まったく乗り気ではありませんでした。

しかし最終的にはVIP席を作ることとなり、渋々設置したのがこちらのシート。

ベルリン・フィルハーモニー 座席

VIPバルコニーと呼ばれるエリアには椅子が30ほど置かれているのですが、どの椅子も高級感はなく、さらにいうとVIPバルコニーの場所はホールの中でも一番音響がよくない場所なんだとか笑

通常の客席の椅子よりも深く腰掛けることができる椅子はしかし、この場所には適しておらず、深く腰掛けるとステージがまったく見えなくなるため、ここに座った人は浅く腰掛けて身を乗り出さなければいけないシステム。VIPバルコニーの2列目の人に限っていえば、浅く腰掛けても見えない造りになっているという皮肉さ。

ここまで徹底してるとは・・・!!!

ちなみにこちらが控え室で、VIPのボディガードなどが詰めておく部屋らしいのですが、ここまでVIP感が出せないと却って尊敬するレベルです。

ベルリン・フィルハーモニー VIP 控え室

その結果、これまでこのVIPバルコニーで演奏を聴いたVIPはゼロなんですって。何年か前にオバマ前大統領が訪れた際も、VIPバルコニーは使用せず1階中央の席にたくさんのボディガードに囲まれて座ったんだそう。

* * *

盛りだくさんでしたが、いかがでしたでしょうか。最近オーケストラをほとんど聴かない生活をしていたのですが、ベルリン・フィルハーモニーを見学して、かなりテンションが上がってきました!今年は年末のベルリンフィルのジルベスターコンサートを絶対に観よっと。

ベルリンは案外観光名所が少ない街でもあるので、5ユーロで楽しめるベルリン・フィルハーモニーのガイドツアーおすすめです☆

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