バンコクで新築分譲マンションを契約した話③|頭金送金のゴタゴタ

バンコクで新築分譲コンドミニアムを契約した話|第3話 頭金支払いのゴタゴタ

事前の調査などほぼなしで勢いだけで物件の予約をしてしまったわたしたち。そのツケがいきなり回ってくるのが頭金の送金でした。お金自体はなんとかあったので、あとは送金するだけという状態だったのですが、送金のハードルの高いこと…!タイ独自の法律に加え、日本独自の金融規制のダブルパンチにより、一括でポーンと振り込むことはできませんでした。

昨今ではタイで不動産を購入される日本人の方も少なくはないと思うのですが、いくら調べても知りたい情報がなく大変苦労したので、この記事がこれからタイで不動産購入を検討される方の参考になれば幸いです。

※この話は3話目です。前2話を未読の方はこちらからどうぞ⬇︎
バンコクで新築分譲コンドミニアムを契約した話①|物件探しからモデルルーム内見まで
バンコクで新築分譲コンドミニアムを契約した話②|2回目内見とスピード決断

7日以内に物件価格の25%を振込むミッション発動

無事物件を予約し、次にしなければならないのが契約金と頭金の振込み。契約金と頭金あわせて、物件価格の25%の金額を7日以内に振込むよう案内されました。

契約金と頭金は本来別物で、後に契約書を読むと契約金は予約から30日後、頭金は60日後までに支払えばよいと書かれていたのですが、予約フォームにはしっかり「予約から7日」と書かれており、また営業担当からもそのように説明を受けました。

この7日制約によって、大急ぎの大慌てで対応する必要がありましたが、結果的にすべてを早く進めたことで帰国の前日にギリギリ滑り込みで契約書まで交わすことができ、一安心でした。

(補足)これはあくまで仮説ですが、法律上は30日、60日という猶予が設けられているものの、暗黙の慣行として1週間〜2週間という期限が切られているのかもと思いました。すべてが落ち着いてから他の方のブログなどを読むと、やはり最大でも2週間ほどしか待ってもらえないようで、今回の7日が特別短いわけではないようでした。

見積もり金額はタイバーツなのに、タイバーツでの振込NG!?

タイの物件購入時にいただく見積書の金額はすべてタイバーツ建てで書かれています。具体的には、予約金、契約金、頭金、残金、共益費、修繕積立金、登記代のすべてタイバーツ建て。予約金は予約時にクレジットカードで支払うことができ、もちろんタイバーツで支払いました。

そのため、なんの疑いもなく残金も日本円を両替してタイバーツで振込むつもりでいたのですが、これはNG。タイの法律で外国人が物件を購入する際は外貨建てでタイの銀行の口座に振込むことと規定されているそうで、タイバーツ建てで振込みを行うと最悪物件が購入できなくなります。

予約時の振込先に関する説明の中で、「SWIFTを使ってね」という案内はあったのですが、まさかそれが「外貨建てで送金してね」の意味だとは理解できておらず、危うくタイバーツ送金をしてしまうところでした(タイバーツでの送金のハードルはめちゃくちゃ低いんです)。営業担当にもろもろメールで問い合わせている中でタイの外貨縛りルールが判明し(ほんと先に説明しておいてくれ…)、今度は日本円をタイの銀行に送金する方法を考えることになります。

銀行の外貨送金ができなかった件

資産的には払える金額ではあるものの、すぐに自由になる現金は案外少なく、物件を予約した日に比較的早く現金化できる株や投資信託をいくらか売りました。比較的早いと言っても、投資信託などは引渡しまでに5営業日はかかるので、物件の頭金用というよりは、一時的に心許なくなるキャッシュフロー改善のために解約しました。

そうして急ピッチで現金を口座に揃えていきながら、同時に契約金と頭金を日本円で送金する方法を調べていきました。普段利用している銀行から簡単に送れるものだと思っていたのですが、これがまた一筋縄ではいかず・・・以下の情報はどちらも2023年6月時点のものですが、調べた内容を共有します。

三菱UFJ銀行の場合

結論から言うと外貨送金自体は可能なようでしたが、通常口座とは別に「外貨送金口座」を開く必要があります。外貨送金口座の作成方法はまず、Webから必要資料を申し込み、1週間程度で送られてくる資料に必要事項を書いて返送します。すると2週間程度で口座が開けるそうです。

なお1回に送金できる金額は100万円、さらに1ヶ月で送金できる上限は500万円となっていました。わたしたちの場合、口座を開いている時間もないし、仮に口座を開けても1ヶ月に500万円しか送れないのでは話にならず、諦めました。

住信SBI銀行の場合

続いて住信SBI銀行の場合ですが、こちらはそもそも個人の外貨送金サービス自体扱っていませんでした(法人は可能。また個人が住信SBI銀行の口座に外貨を受け取ることは可能)。

ここでも役立つのはWise

銀行がダメだったので、すぐに使える選択肢はWiseのみ。ということで、日本円口座からタイのカシコーン銀行に振込を行おうとしたところ…

日本円ではタイの銀行に振り込めない

なんと、日本円から振り込む場合は日本の銀行しか選択できないことが発覚…!!!

「あーーー詰んだ、高い勉強代だったな」

そう思いました。でもここで諦める?10万バーツをドブに捨てる?必死に考え、「日本円を米ドルに両替して振り込めばよいのでは?」というアイデアに行きつきました。

そしてこれが大正解!米ドルで振込む場合はタイに限らず世界の多くの国の銀行を選択することができました。

「基軸通貨」という言葉を身をもって学んだ一幕。

日本のみにある謎の100万円上限規制

米ドルで振り込めばいいことがわかったので、急いで対応開始。まずは銀行口座に入れている現金をWiseに集約させていきます。

Wiseに一度に送金できる金額が100万円

・・・と、ここでまたプチトラブル発生。なんと、銀行からWiseに一度に送金できる金額に上限があり、それが100万円ポッキリでした(マネーロンダリング規制によるもの。ちなみにこんなに上限金額が低いのは日本だけらしい)。そのため、自分のお金を自分の口座から別の口座に移すのに、アプリ上で何度も操作をしました。ふざけている。

Wise口座に持てる上限金額が100万円

そして翌日。Wiseからシステムメールが届きました。内容は、口座内の合計金額が100万円を超えているので、他へ移してくださいというもの。日本の金融規制により、Wiseの口座に一度に持てる金額が100万円までとなっているらしい。ふざけすぎている。

ただし1ヶ月の猶予はあり、指定の期間までは100万円を超えて保持することができます。頭金送金の7日制約により今回はすぐにWiseから出すことがわかっていたので、気にせずどんどん日本円を追加していきました。ちなみに猶予期間を過ぎても100万円以上持っている場合は、アカウントが凍結されてしまうそうです。

(補足)なおこの100万円規制は、日本円だけでなく他の通貨で持っている金額も実勢レートで計算されて合算された数字です。日本円で50万円しか持ってないから大丈夫、ではなく、もし同時に5,000米ドル持っていたらアウトになります。

一度の送金上限も100万円w

そして1番めんどくさかったのがこれ。これまた日本の金融規制により、Wiseから一度に送金できる金額の上限も100万円でした。ちなみにタイバーツで振り込もうとしていた時には一度に200万タイバーツ(約840万円)振込可能だったので、100万円さの異常さが際立ちます。

調べてみるとこんな規制があるのは世界中で日本だけらしく、日本円を外に出したくない気持ちもわからないでもないですが、結果的に日本人がグローバル競争に弱くなる遠因になっているのでは?という気がしてなりません。

WISE担当者からの連絡

そんなこんなで1歩進むごとに別の課題にぶち当たりながらも、タイの銀行(カシコーン銀行)に100万円ずつ振込を行っていた頃。半分を過ぎたあたりで、Wiseの担当者から”Additional Information Required”というタイトルでメールがありました。

金額が金額なので、審査が入ったようです。その時に聞かれた内容は以下の通り:

  • What is the source of wealth for your personal payments (i.e. salary, savings, investments, property sale etc.):今回の個人的な支払いの財源は何か(給与、貯蓄、投資、不動産売却など)
  • Supporting documentation for the above (i.e. your most recent payslips, investment portfolio, the property sales agreement/contract etc.):上記を裏付ける書類(最新の給与明細、投資ポートフォリオ、不動産売買契約書/契約書など)
  • Your external Bank account statement for the last 6 months showing the deposits to Wise.:ワイズへの入金が記載された過去6ヶ月間の外部銀行口座明細書
  • An estimate of the amount of funds you wish to send with Wise in the near future. In case you have a higher requirement temporarily, please let us know.:近い将来、ワイズに送金することを希望される資金額の見積もり。一時的にそれ以上のご希望がある場合は、お知らせください。

夫にも内容を共有し、すぐさま必要な書類を集めました。わたしたちは2人ともフリーランスのため給与明細などはなく、代わりに直近の発注書(英語で”Purchase Order”)を準備。銀行の直近6ヶ月の口座明細(Account Statement)と併せて15分以内に返信しました。

発注書も口座明細も日本語でしたので軽く説明はつけましたが、その後1時間ほどで返信があり、確認できたので残りの送金手続きを進めるとのことでした。メールは終始フレンドリーで、やり取りの最後にはこんな一言も:”Have a good day ahead and congratulations on the new house!(よい1日を!そして新居おめでとう!”)

タイの銀行への着金通知

Wiseは、送金プロセスが進むごとにアプリで通知を送ってくれます。SWIFTを利用した振込は今回が初めてだったのですが、①タイの銀行へ着金したタイミング ②振込先口座へ入金されたタイミング でそれぞれ通知がありました。

①は1営業日ほどで続々通知がありましたが、①→②のプロセスはWiseの手を離れ銀行内での手続きとなるため、銀行や時期によってもどれくらい時間がかかるか変わるようです。今回は①の後2~3営業日で②の通知がありました。

色々と壁があり、物件予約前に調べておかなかった自分を呪いそうになりましたが、Wiseのおかげでなんとか期限内に払い終えることができました。

その辺の市中銀行よりもずっとイケているWise。海外旅行好きな人は絶対に利用して損はないサービスです。詳しくはぜひこちらの記事をどうぞ。

為替レートにハラハラドキドキ

送金を完了し一息つきたいところですが、タイの銀行に着金後いつ米ドルからタイバーツに両替されるのかがわからず、「外貨送金証明書」をもらうまでずっとドキドキしていました。

というのも、わたしたちが送金した頃は奇跡的にドル高バーツ安となっていた一方、数日後にはみるみるバーツ高が進み、金額も金額なのでどのタイミングで両替されるのか?が非常に重要でした。

一括で振り込んでいるならそんな心配もなかったのですが、100万円ずつしか振り込めない縛りにより、振込回数が細かく分かれていたため、全額確認できてからその時のレートで両替となると悪夢だなと思っていたのです。

営業担当経由で「外貨送金証明書」を請求し確認すると…神の采配でほとんどの振込分がバーツ安タイミングで両替されていて20万円くらい浮きました…!!最後の1振込分だけ着金が遅かった分バーツ高タイミングでの両替でしたが、まあまあまあまあ。人手確認ではなく着金タイミングでの自動両替でした。

ということは、引き渡しのタイミングで残金を支払う場合も、こちらで為替の状況を見ながらある程度コントロールできるということ。早めにわかって本当によかったです。

外貨送金周りについては他にも話したいことは色々あるのですが、事務的な話ばかりになってしまうので、最終話のQAにてもろもろまとめたいと思います。

バンコクで新築分譲コンドミニアムを契約した話④|契約書全ページに手書きのサイン」に続きます。

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7年間の会社員生活ののち、2023年からフリーランス。会社員時代は年に5~8か国を旅行。フリーになってからは長期滞在で暮らすように旅行中。2023年6月バンコクに新築コンドを購入。最新の旅の写真はInstagramで投稿。

お知らせ:アジア各国で見つけた雑貨を近々オンライン販売する予定です。本サイト「ゆっこぷー・どっとこむ」でもお知らせ予定ですので、ご興味を持っていただけた方は、サイトをブックマークいただくか、上のボタンからInstagramをフォローいただけると幸いです。販売前の商品を個別に先行販売(10~15% OFF予定)することも可能ですので、どんな商品があるか気になる方はお気軽にDMください。

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