2023年12月にスペイン語検定4級を受験し、先日無事合格することができました。スペイン語はわたしにとって英語、フランス語に続く第3外国語で、今回がはじめての受験。スペイン語は大学で興味本位で授業を取っていたものの、その後もずっとダラダラ勉強しては辞めを繰り返していたので、ちゃんと区切りをつけようと思い、この度受験をすることにしました。
本記事では、あまり情報が出ていないスペイン語検定4級の概観をお伝えしようと思って書き始めたのですが、思い出しながら構成を考えていると沸々と湧き上がってくるものがあり、急遽タイトルの内容になりましたw 喧嘩を売りたいわけではなく、スペイン語検定が広まってほしいからこそもどかしいことが多く、ぜひ日本スペイン協会の方にも読んでいただきたなと思っているほどです。
スペイン語検定とは
スペイン語検定は、公益財団法人日本スペイン協会が実施している文部科学省後援の試験です。6級から1級まであり、1級が1番レベルが高いです。英検や仏検のように「準1級」「準2級」のような中間級はなく、全6級仕立て。そのため英検や仏検の対応する級とはレベルの感覚が少し違うかもしれません。
ちなみに今回わたしが受験した4級は、CEFRではA2相当だそうです。
受験申し込み
スペイン語検定は夏季・冬季の年2回開催されています。2級〜6級は夏季・冬季とも受験が可能ですが、1級は冬季のみの実施。受験者数が少ないとどうしても開催回数が少なくなってしまいますよね。
2023年冬季の試験日程は一次試験が12月10日、二次試験が(二次試験があるのは1級と2級のみ)1月28日でした。申し込み期間は9月19日〜10月23日ですが、締切後にまだ空きがある級・会場での追加の募集がかかっていて、最終的な締め切りは10月30日でした。そんなこともあるんですね(その当時は気が付かなかったのですが、後から考えると受験者数が少ない伏線でした)。
どの級がふさわしいか判断がつかない問題
今回実は、3級を受けるか4級を受けるかでかなり迷いました。というのも、公式ホームページで公開されているサンプル問題があまりにも限定的すぎて、どの級がふさわしいのかの判断がつかなかったからです。
また、スペイン語検定の参考書は一応あるにはあるのですが、5・6級用、4級用・3級用、どの級においてもなんと対策本は世に1冊ずつしか出ていないのです(信じられないことにほんとに)。その一冊がこちら。受験当日は半分くらいの人がこの参考書を持っていました。
さらに、この参考書は2017年刊行のものですが、スペイン語検定は2021年に試験範囲や試験形式の大幅な変更を行っているので、どんなレベルかを把握するには全然役に立ちません。
わたしは受験を決断した2023年夏の時点でまだ一度も目を通してすらいない動詞の活用自制がかなりあり(実は未来形もやっていなかったほど)、旧来の動詞活用重視型の試験スタイルだと4級でギリギリかなという感じでした。ただ、なぜかリーディングやリスニングがそこそこできたので(他の言語知識が無意識に助けてくれているのかなと思ったり)、新形式であれば3級も頑張ればいけるのでは?と考えていました。
今回は同じ時期にフランス語検定の準1級を受けることもあり、最終的に無理ない選択ということで4級を受験することにしました。
受験者数の少なさに驚きを隠せなかった件
受験票を見て驚いたのが、東京ですら貸し会議室での実施だったこと。語学の検定試験に限らず資格試験系は大学でしか受けたことがなかったのですが、あれは多くの人を収容するためには自然と大学など収容力のある建物になるからなんですね(今さら)。
一般に語学の検定試験は、簡単な級ほど受験者が多く、難しくなるほど人数が少なくなります。4級は下から3番目の級なので、大学生などがわんさか受けるんだろうなーと想像していたのですが、東京会場の受験者数はなんと最大で120人だけ(60席×2部屋)。なぜわかるかというと、試験開始前の待ち時間などが暇でシンプルに座席数を数えたからです笑
もちろん東京会場の受験者が1番多いと想定されますので、全国で見ると500人ほどでしょうか。これがどれくらい少ないかと言うと、フランス語検定の場合3級で2,700人、4級で2,800人(2022年秋季実績)なので、フランス語検定受験者の5〜6分の1ほどと言えそうです。
スペイン語は大学で第2外国語として取っている学生も多い言語ですし、そもそも世界では4番目に話者が多い言語なので、もっと多くの人が受けるものだと思っていたのですが…
日本スペイン協会に物申したすぎる
日本スペイン協会が受験者数を公表していないため確実ではありませんが、どう考えても受験者数が必要以上に少ない気がします。というかなぜ受験者数を公開しないんでしょう?サンプル問題しかり、合格率や平均点も非公開です。そしてそれが、受験者数の少なさに、少なからぬ影響を与えているように思えます。
ディスりたいわけじゃなく、情報を公開した方が単純に受験者数も増えると思うし、それが結果的にスペイン語を学ぼうと思う人口の増加につながると思うから言わせてほしい。日本におけるスペイン語の振興を目的としているなら、シンプルにもっとみんなが勉強したくなるような仕組みを作ってほしい、とそう思ってしまうのです。
ちなみに問題用紙は解答用紙とともに回収されてしまいます。ここも秘密主義。TOEICのように実施回数が多過ぎて似た問題を量産しないと運営が回らないから、とか、公式過去問として別途売り出したいから、のような事情・意図があるならわかるのですが、スペイン語検定においてはどちらもなし。先にも述べたように参考書はほとんど出ておらず、唯一手に入れられるものも旧形式のものなので、事実上今の形式の問題はほとんど開示されていないに等しいです。なぜ持ち帰りNGなのでしょうか?
公式HPに上がっているサンプル問題もほとんど見せる気がなくて、【省略】ばかりですし、「次の文章を読んで」の「次の文章」がまるまるXXXXXXXXXX表記にされていて試しに解いてみることすらできません。草が生えるw
「検定のために勉強をするのではなく、検定のタイミングで必要な実力がある人だけが合格すればいい」という考え方なのかなとも思いますが、優れた検定はその検定に必要な勉強をすることで、その検定が規定しているレベルをクリアできるだけの実力が身につくように設計されています。フランス語検定なんかは本当に秀逸で、読む・聞く・書く・話すをすべて網羅しなければ合格できない設計ですし、記述も多いので普段から単語のスペルや特にアクセントなどには自然と気をつけるようになります。
受験者数が増えることで受験料収入が増えて、それによってよりよい試験問題が作れたり、それこそ公式参考書を出版できたりと、スペイン語に興味を持つ人を増やす好循環になるのではと思うのですが、どうでしょうか。
わたしは常日頃から、「仕事で使うから」「今の時代英語を話せないとダメだから」といった畏まった理由ではなく、日本でももっと気軽に語学を学ぶ人が増えたらいいなと思っているので、スペイン語検定を受けるにあたって経験したあれこれには、とてもモヤモヤしてしまいました。
問題用紙を持って帰ることができないので具体的な問題はお見せできませんが、次の記事ではどんな問題が出たのかや、わたしが感じた4級のレベル感についてご紹介したいなと考えています。
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7年間の会社員生活ののち、2023年からフリーランス。会社員時代は年に5~8か国を旅行。フリーになってからは長期滞在で暮らすように旅行中。2023年6月バンコクに新築コンドを購入。最新の旅の写真はInstagramで投稿。
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