今年の夫の誕生日は、バンコクでミシュランを獲得しているフレンチレストランでお祝いしました。J’aime by Jean-Michiel Lorain(ジェーム・バイ・ジャン=ミシェル・ロラン)というお店です。Chopeという東南アジアの高級店をメインで扱うサイトで見つけました。
バンコクは今フレンチ、イタリアン、モダンタイなどおしゃれでおいしいお店が次々とできていますが、今回のJ’aimeは料理もおもてなしも一級品でした。同じレベルのフレンチを東京で食べようとすると1.5~2倍はすると思うので、かなりお得に楽しめたかなと思います。
Contents
J’aimeのアクセス
J’aimeはU Sathorn(Uサトーン)というホテルの2階に入っています。サトーンはバンコクの港区のような高級エリアで、特に北側は名の知れた高級ホテル街となっています。Uサトーンホテルがあるのはサトーンの中でも南側の方で、実はわたしも行くのは初めて。MRTからもBTSからも離れているため、行く場合はタクシーかバイクに限られるかと思います。
バンコク中心地には珍しい1軒家などが並ぶ道を走ること数分。突如として現れるリゾートホテルにびっくり。さすがに街中なのでいわゆるリゾートよりは格段に小さいですが、それでもこんなザ・リゾートが突然現れるとは思わずプールサイドでしばし涼みます。
J’aimeのコースメニュー
18時からの予約で17:50あたりに着いたのですが、問題なく入れていただけました。後から判明するのですが、この日は予約が4組しか入っておらず、そのためテーブルは選び放題。クラシカルなテーブル席でも、窓際のソファ席でも好きな場所に座ってOKとのことでしたので、タイらしさが感じられる紫のソファ席でいただくことに。
ディナーはコース料理のみで、オリジンメニューかシグニチャーメニューから選択します。
オリジンメニューはアミューズ・ブッシュに始まり、前菜・お魚・お肉・デザートがそれぞれ選べるコースで3,500バーツ。シグニチャーメニューはすべてFIXされていますが、オリジンメニューよりも3〜4品多くて4,300バーツ。もし量を食べられるのであれば、シグニチャーメニューは相当お得な気がします。わたしたちは魚とお肉が両方出てくるだけでお腹いっぱいになりそうということで、無難にオリジンメニューにしました。
フィンガー・フード
コースが始まると、アミューズ・ブッシュの前にフィンガー・フードが出てきました。メニューに書かれていないもので、レストランからの心付けなんだそう。
どれも見た目にかわいく、いただいてもおいしいものばかり。
個人的にタイは、(一流ホテルでさえ)英語が聞き取りにくいランキング常連ですが(タイ語と英語の相性が悪すぎるのです)、さすがにここのスタッフは英語もしっかり話せる方が多く、料理の説明もしっかりしてくださいました。
パン
パンは3種類の中から選ぶことができますが、残念ながらこちらはイマイチ。フワっもカリっもなく、全体的にただただ硬め。まあタイは東南アジアの中でもパンがおいしくない方の国なのでやむなし。
コンディメントは3種類あり、イカ墨、ローズマリーのバター、オニオンスープ風(これがおいしい)でした。
アミューズ・ブッシュ
一品目は、オリジンにもシグニチャーにも共通しているカエルの脚のフリカッセ。マッシュルームとトリュフの泡でいただきます。
アミューズなので1〜2切れくらいかと思っていたら、泡の下にお肉が7〜8切れ入っていてなかなかのボリューム。濃厚なソースですが、上に載っている緑がいい仕事をしていて素敵なマリアージュでした。
前菜
オリジンメニューでは前菜は2種類から選べます。この時はタイガーエビかポークのカルパッチョで、二人ともポークカルパッチョを選択。
豚肉でカルパッチョ?と大変興味があったためですが、低温調理された薄切りポークがふんだんに使われたガーデンサラダのような感じで、見た目にもきれい。トリュフやカリカリチーズなども載っていて、完璧なバランスでした。
前菜なのにボリュームがしっかりあり、これがメインでもいいくらい。個人的にはすべての料理の中で1番好きでした。
お魚
お魚はそれぞれ別のものをお願いしました。食材の英語やフランス語は知識が乏しくいつもわからず、スマホで調べながら向き合います(正直日本語でもわからない食材は多数…笑)。
夫が選んだのはペンシェル(Pen Shell)という貝の一皿。日本語では「タイラギ」と言うらしいのですがますますわからず、とりあえずshellなので貝であることは間違いないという1点のみで選びました。
写真ではわかりにくいのですが、見た目は小ぶりなホタテのような感じで、味もホタテと言われて出されたら違いがわからないくらいジューシーな貝でした。野菜に埋もれていますが、このペンシェルが10個くらい使われている贅沢なプレートでした。
わたしが注文したのはバラムンディのキャビアソース。和名が特にない巨大な白身魚みたいです。持ってきていただいた時の説明によると、こちらなんと本家Jean-Michel Lorain(1番最後にご紹介します)のシグニチャーディッシュだそうで、スタッフの方一押しの逸品でした。
バターソースとキャビアがかなーーり濃厚で、脂っこいものがあまり食べられない今わたしには少しきつかったのですが、夫は喜んで食べていました。
お肉
お肉もそれぞれ別のものをいただきました。
わたしのセレクトはうずらの田舎風ソース。日本のフレンチだと鶏か鴨か牛かの固定でなかなかうずらをいただく機会はありませんが、さすが本格フレンチというラインナップ。胸肉ですが、しっかり脂がのっており大変美味でした。
夫のチョイスはラムショルダー。ごろっとしたお肉が6切れもあり食べ応え抜群。ラム独特の臭みはやはり少しあり、わたしはあまり得意ではありませんでしたが、男性にはおすすめ。
デザート
デザートは二人ともシグニチャープレートのミルフィーユ。Mille Feuille(千枚の葉)にはなっていなくて、パイは上の一枚だけでしたが、とてもおいしかったです。いちごがかわいすぎ。
事前にやりとりしたメールでは、デザートプレートにHappy Birthdayを書くねとのことだったのですが、特に書かれておらず「あれ?」と思っていると、まさかのサービスケーキが別皿で運ばれてきました!
またまたおいしいマンゴーケーキで、レストランからのプレゼントとのことです。
プティフォーは結構感動しまして、パイ、チョコレート、マカロン、ギモーヴの4種類。特にココナッツ型のチョコは中身がアイスになっていて、口に入れてびっくり。どれもとてもおいしかったです。
ローシーズンが狙い目?
それにしてもスタッフの人数がすごい!最初の1時間は私たち以外にもう1組しかおらず、この日は最終的に4組のみ。そのためかスタッフの方が入れ替わり立ち替わり席に来ては料理の感想を聞いてくれたり、飲み物の追加を確認してくれます。料理もまったく待たされることなくフレンチにしては驚くべきテンポで出てきました。
そもそもテーブルが30ほどはありそうな大規模な会場で、ハイシーズンにはほとんど埋まるんだろうなと思いつつ、わたしが訪れたのは雨季真っ盛りの5月だったためかレストランもホテルもガラ空きでした。デザートまでゆっくりいただいても2時間で出ることができたので、料理に疲れすぎることなく楽しめて最高でした。
ところでJean-Michel Lorain…?
お店の名前に書かれているJean-Michel Lorain(ジャン=ミシェル・ロラン)は、パリ南東にあるジョワニー(Joiny)という街にあるミシュランフレンチレストランです。
ロラン一族の料理業界ならびにホテル業界における華々しい功績のはじまりは1945年にまで遡ります。80年の歴史をここですべて書くのはあまりにも長すぎるため要点だけまとめると、店名のジャン=ミシェルは「ル・コテ・サン=ジャック(le Côté Saint-Jacque)」というホテルレストランの3代目シェフ(祖母→父→ジャン=ミシェル)で、2023年に甥に引き継ぐまでの22年間、ル・コテ・サン=ジャックを率いていたそう。
2009年には、ヨーロッパのベストホテルレストランに選ばれたほか、2021年にはヨーロッパの150のベストレストランに選出されてもいます。ホテルの客室・接客管理もロラン一族の人がやっているようで、何度も5つ星を獲得しています。
さらに驚くべきことに、今回わたしが訪れたJ’aimeを統括しているのは、ジャン=ミシェル氏の娘マリンさんとのこと。この記事を書くために公式HPを見ている中で写真を拝見し、「あの時のフロアマネージャーっぽかった人だ!」と合点がいきました。
ジャン=ミシェル氏の海外展開店舗は今のところバンコクだけなので、フランス本店は遠すぎるわ〜という場合はぜひバンコクで楽しんで見てはいかがでしょうか。
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7年間の会社員生活ののち、2023年からフリーランス。会社員時代は年に5~8か国を旅行。フリーになってからは長期滞在で暮らすように旅行中。2023年6月バンコクに新築コンドを購入。最新の旅の写真はInstagramで投稿。
お知らせ:アジア各国で見つけた雑貨を近々オンライン販売する予定です。本サイト「ゆっこぷー・どっとこむ」でもお知らせ予定ですので、ご興味を持っていただけた方は、サイトをブックマークいただくか、上のボタンからInstagramをフォローいただけると幸いです。販売前の商品を個別に先行販売(10~15% OFF予定)することも可能ですので、どんな商品があるか気になる方はお気軽にDMください。